設立趣旨


 超音波の利用は工業界を始めとして、医学、獣医学、畜産学あるいは地質学等々広範な分野において進められて来ました。  今日、教育分野では理系志望の学生が少なく、理系の思考過程を育成する必要性が叫ばれています。  また、超音波が多くの生物により音響標識に利用され、  さまざまな物理学・工学等の基礎的教育にとって欠かすことの出来ないアプローチの手段であることも明らかであります。  そして、これまで長い年月をかけて日本が世界をリードし活動してきた超音波の応用技術の発展、  貢献に関する多くの資料(文献、歴史的機器類等)の散逸を防がなければならない状況にあります。
 このような、日本が現在置かれている教育・研究・文化・科学技術等の歴史と現状と未来の発展に貢献するために、  超音波について子供達あるいは若者達の知的な好奇心を呼び覚ますための「超音波ミュージアム®」の設立が望まれます。  今回、新たに設立された「特定非営利活動法人武蔵超音波医理学研究所」はその事業の一つとして、  「超音波ミュージアム®」の設立を諮るために文部科学省にその設立を要望したいと考えています。  また、当然のことながら、関係省庁や関係機関あるいは関係する学会や企業、さらには関心を寄せる国民にも呼びかける必要があると思われます。
 「超音波ミュージアム®」では、超音波を用いたあらゆる分野の研究、開発、応用などについての紹介を行いたいと思います。  超音波は生物が音響標識に利用しており、動物学、昆虫学、あるいは農獣医学や畜産学などの生物学系において大きな研究や実践への利用が行われてきました。  そして、タイタニック号の悲劇以後に発達した音響物理学はもちろんのこと、  物理学、工学、信号処理学あるいは建築学や通信学の分野、さらには海底探査、地質学、宇宙物理学等々、その応用は計り知れません。  航空あるいは高速鉄道など交通工学分野においても広く活躍しています。東日本大震災による海嘯(つなみ)の被害に対する対策など、  今後も防災においても大いなる超音波の利用が望まれています。
 今日の地球上では、通信、情報などの発達は目覚ましいものがあり、  その発展に貢献しているのが超音波信号やジャック&ピエール・キューリ―兄弟が発見した「ピエゾ電気現象」であります。  また、ドプラ氏により発見された「ドプラ効果」等々、多くの物理、化学、工学などの理論や手法が貢献しています。  これらの信号を発信するマテリアルとして「水晶」ならびに「セラミック」の利用、発展を無視することは出来ません。  人工水晶の産業としての発展は、日本が世界をリードしてきました。人工水晶なくして、今日の情報、通信の世界は語れないのは事実です。
 今日、日本において問題になっているのは、理系の人材育成という教育上のテーマであります。  子供たちが、小さいころから理系、物理学、数学、化学、生物学などに親しみを持つような「場」と「機会」が必要と考えられます。  そのような「場と機会」に接するようなところとして「超音波ミュージアム®」を設立する必要があります。  この「超音波ミュージアム®」は日本の未来の人材を育成するための教育の場として貢献できるものと信じます。
 医学面におきましては、超音波を用いた検査、診断あるいは治療等の社会における貢献の大いなることを喧伝するとともに、  多くの歴史的な研究、開発そして装置に関する文献や機器を収集し、展示するなどを行いたいと考えています。  もちろん、多くの先人たちの記録や紹介なども行わなければなりません。
 「超音波ミュージアム®」には、日本が果たしてきた多くの研究、生産、産業等々多方面の成果と歴史を評価するために、  それらの文献、書籍、貢献した人物たち、世界を変えていった様々な機器、診断装置等々を展示しなくてはなりません。
 「超音波ミュージアム®」は、必ずや日本並びに世界の未来に貢献するものと信じます。


 皆様には、このような事業へのご協力をいただきたく、超音波ミュージアム設立、基礎的並びに臨床的研究や広報活動、そして子供や若者達の教育のために、当法人へのご寄附をお願いする次第であります。  ご協力いただけます団体や個人の方々には、当法人へのご連絡をお願いいたします。


特定非営利活動法人武蔵超音波医理学研究所  NPO-IMMM

構想




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